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「陽一さん、出てきてください」
「しんじられなーい、しんじられないっ!」
「いつまで私の真似して遊んでるんですか」
ドアが開いた。
小学生男児みたいな顔してる。
「面白かった?」
「だいぶ不愉快でした」
「ははは、悪い悪い。ちょっとふざけ過ぎたな」
「そんなにふざけるからもういろいろバカらしくなりました」
「いろいろって?」
「本当は陽一さんの彼女になりたいのに、変な意地を張ってる自分がです」
すると陽一さんは目を丸めた。
「え...それって、...つまり...」
「陽一さんが本気で想ってくださっているんだろうなとはずっと思ってました。でもさっきのふざけ具合でその本気も、実際どうなのか急にわからなくなりましたけど。でも、私の気持ちは変わってないです。陽一さんが好きで.........」
いきなり抱き締められたので、また最後まで言えなかった。
「ごめん。また俺ふざけて...。待って、もっといい雰囲気でって思ってたんだけど、つまり、俺たち付き合えるってこと?」
「さっき陽一さんがふざけたせいでいろいろ台無しですけど、あの、そう言うことです。こんな私で良ければ、付き合ってください」
「よしっ!彼女にしてやる!」
えー。急に上から。
何はともあれ、私の仕返しは終わった。
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