ドイツに来た親友

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ドイツに来た親友

数日後 俺はドイツへ帰った 結局 あの日 落ち込んだ唯香は 心ここにあらず その後も メールも電話も出てくれなくて それ以上、話もできないで 帰った 何だったんだろう? この帰国 残ったのは 芽生えたばかりの唯香への思い そして 喪失感だけだった 帰ってからは現実になり 考えることも少なくなった がむしゃらに頑張って考えなくしたのかもしれない それから 半年が過ぎた それでも 俺はやっぱり唯香の事を思ってしまう日が続いていた 日々に その余裕がなかったのが 考える時間を減らせて助かっていた 毎日毎日 体格差のある相手に負けないように フィジカルを鍛え 策をねり 練習・・・練習 チームメイトからは 真面目過ぎると言われているけど 体を酷使していないと どうにかなってしまいそうだった 今日も 練習を終え 部屋に戻ると・・・ は? 部屋の前に幸助 「お前・・・」愁 驚きすぎて 声が出なかった 幸助は休暇を駆使して こちらに旅行に来たらしい 「一人で来たの?」愁 幸助はニヤリと笑って 「お前には、ほかに誰かが見えるの? だったらホラーだな」幸助 そう言って相変わらず ふざけていた 「今日はここに泊まるから」幸助 幸助はそういって 土産袋一杯にビールを買ってきていた 幸助は 始めてきた割には上手にくつろいでいた 俺は迷惑そうな顔をしたけど やはり嬉しかった 俺たちはその夜 デリバリーを頼んで 部屋で再会の宴を開いた 「っで あれからどうなった?」幸助 幸助は徐に話し始めたけど それは何を聞きたいことなのかは分かった 「ダメだった」愁 幸助は俺の方を見て 「だろうな」幸助 そう言ってビールをごくごく音を立てて飲む 「唯香・・・なんか言ってた?」愁 「っで、諦めたのか?」幸助 「現状は そうなるだろうな・・・」愁 「諦めたんだな」幸助 「距離があるし・・・な」愁 「距離ね・・・」幸助 微妙な顔で俺を見る 「何だよ」愁 「唯香、けっこうマジで悩んでたんだぞ あの後 毎日、俺はあいつに呼び出されて 話し聞かされた」幸助 そんな事 知らないし・・・ 幸助とは毎日会えるのかよ 「でも ドイツ帰ってからは お前は音沙汰ないし やっぱその時だけの・・・だったのかな?って 悩んでさ」幸助 意味わかんねーし めっちゃ拒否ってたじゃんか!! 唯香が迷惑そうな顔するから・・・ 「お前・・・悪いぞ 急に沸騰して 一人で猛烈に沸き上がって 消火して帰っちゃんだもんな・・・」幸助 幸助の話に だんだんと 俺は腹が立って 目の前の 幸助が用意したビールを開けて 勢いよく飲み 幸助を睨んだ 「唯香・・・マジ分かんねぇ 幸助にそんなに俺の事を話すなら 何であの後 メールや電話 無視すんだよ!! 何で悩むなら もう少し 友達としてじゃなく 女っぽく勘違いするくらい思わせてくれないんだよ!! 思わせぶりな態度とれよ そうしたら 俺だって もっと必死に 何度、断られても こっちに戻る前に 強引にでも奪ったのに! 俺、マジで好きなのに・・・ 気になって気になって なのに あいつ・・・嫌がるから・・・ 嫌がってるのに 無理だろ?」愁 そう言うと 幸助は スマホを出して 「聞こえたか? 言ったろ マジだって」幸助 幸助は俺にスマホの画面をこちらに向ける すると そこには 唯香が写っている 泣いている 何で? 「どうするんだ?今度は唯香の番だぞ!」幸助 幸助は俺の前にグッとスマホを向ける 「愁・・・ごめんね 素直になれなくて」唯香 どういうことだ? まだ 状況を理解できていない 「私・・・ずっと好きでした 愁の事が今まで ずっと好きでした まだ 間に合うなら まだ 私なんかでも良いって言ってくれるなら・・・」唯香 唯香が最後まで言い終わる前に 「俺とずっと一緒にいてください」愁 俺の口は勝手に唯香へ俺の気持ちを告白していた 唯香はボロボロと涙をこぼしながら 何度もうなずく 「唯香・・・ОKってことだよね?」愁 唯香は 涙をぬぐって声を整えて 「はい、宜しくお願いします」唯香 そう言うとにこりと笑った 可愛い・・・ 飾り気のない笑顔に撃ち抜かれた瞬間だった 幸助は若干、放心状態の俺を置き去りにして スマホを自分の方に向け 「じゃ、この先はお二人でってことで おじゃま虫は明日から一人旅を満喫するので 唯香・・・明日ここに来い! 今夜は男同士 濃厚な夜を過ごします じゃあな」幸助 そう言って 笑いながら電話を一方的に切った は? 「あ~やれやれだな」幸助 「どういう事?」愁 「今回の旅行は唯香と来てる あいつ今日はこの近くのホテルにいるよ」幸助 幸助はやり切った間でしたり顔 俺はこの状況をまだ理解できないで フリーズしたままだった
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