イケメンで、お金持ちで、優しい神様

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 責任、取ってくれるわよね、と沙也加は凄んだ。  すると、拝殿の陰から一人の男性が現れた。  背の高い、色白の男だ。 「では、私が責任を取って子の父となろう」 「てか、あんた、誰?」 「神だ。お前の体に子を宿した張本人だ」 「マジ!?」 (グッド・ルッキング・ガイ!)  琴美の彼氏より、10倍はイイ男だ。 「でも、お金あるの? 子ども一人育てるには、二千万円以上かかるのよ?」 「打ち出の小槌を持っておる」  男が手にした小槌を振ると、ばさばさばさといくらでも札が出てきた。 (最高オブ最高!)  沙也加は踊り出したくなったが、そこはこらえて神に願った。 「とりあえず、赤ちゃんは通常の2ヶ月サイズに戻してよ。結婚式も挙げられないじゃない?」 「解った」  するすると、沙也加のお腹はもとのとおりに引っ込んだ。
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