イケメンで、お金持ちで、優しい神様

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 拝殿の本壺鈴をがらんがらん鳴らし、沙也加はがなり立てた。 「やい! 出て来い! 勘違いの神様!」  すると聞き覚えのある、涼やかな声が響いて来た。 『願いは聞き届けたぞ』 「あたしが欲しかったのは、男の子じゃなくって、男! 彼氏!」 『何と』 「どう責任取ってくれるのよ! 2ヶ月なのに6ヶ月目の大きな赤ちゃんなんて、非常識なことしてくれちゃって!」 『お前はやたらと焦っていたので、少し成長を速めてやったのだが』 「大体、父親もいないのに、何て周りに説明したらいいのよ! 神様が授けてくれました、なんて、誰が信じるのよ!?」 『それもそうだ』
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