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第一章『夢失く師の住み処探し』プロローグ 狛犬の狐と巫女1
──そ、そんな……俺の家が……。
一人の青年は、強い嵐によって、さらに、大きく燃え上がる炎の前で、ただ立ち尽くしていた。
「俺の居場所なんて結局っ!……」
青年は涙を堪え、唇を噛む。もう、これ以上、今の屈辱を言い表す言葉は出てこなかった。
堪えているはずの涙が次第に、どんどん込み上げていき、目が潤んで視界がぼやけていく……。
──ソウキ・ユキワケの世界は、セーブされたまま消えていき、幸分創希の世界へと切り替わっていく。
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