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 陽奈が去って行った後、男達は即座に銃撃を開始した。  激しい銃声が、森の中に響く。  だが、弾丸が草加――人狼に命中することはなかった。  素早く動く人狼に、男達の動きは追いつくことができない。  一人、また一人、とその鋭い爪に切り裂かれ、木々の緑が、夥しい血に染められていく。  最後に、先ほど陽奈を取り抑えていた男が残った。  「う、うわぁぁぁ……!」  目の前に迫る人狼。男は必死に何度も銃爪(ひきがね)を引く。しかし、すでに弾は尽きていた。  人狼は右手を高々と掲げた。その先に、鋭く光る爪。  「ひぃっ!」  男が背中を向けて走り出す。  人狼はサッとその後ろまで迫ると、右手を翻す。  男は後頭部から首筋にかけて切り裂かれ、血飛沫を上げながら倒れた。  人狼が更に腕を構え直し、男の背中から心臓を……。  直前で動きが止まった。何かを考えている。そして、倒れている男達4人の死体に、ゆっくりと視線を向けた。  しばらく時が流れた。  人狼はただ、立ったまま何かを待っている。  倒れた男達の死体が、ピクリと動いた。手足の先が痙攣しているかのように震え出す。  それぞれの口から、グルル……という唸り声のようなものが漏れはじめた。  それを見て、人狼はゆっくりと歩き出す。森の中へと、戻っていく。  男達の死体が、むっくりと起き上がった……。
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