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激しい銃声が響き渡る。
人狼達は銃撃を受け、仰け反るようにして倒れた。
殺ったか?
園田も部下達も、たいした動きをしていないにもかかわらず息を切らしていた。全身に汗が滲んでいるのがわかる。
黙ったまま様子を見ていると、倒れた4体の人狼達がむっくりと起き上がった。
「う、うわぁぁっ!」
部下の1人が恐怖から叫び声をあげ、再びサブマシンガンを撃つ。つられて他の者達も。
人狼達は今度は素早く散り、全ての弾丸を避けた。
そして、人の目では追うのが困難なほど速い動きで迫ってくる。
跳ね上がった2体の人狼が、部下2人の上に飛び降りるとともに、その首筋に食らいついた。
1体は地を駆け抜け、もう1人の部下の腰のあたりに食らいつくと、その身体を持ち上げ振り回す。
園田は銃を構えたまま硬直する。目の前の光景を受け入れるのが、一瞬遅れた。
背後に気配。振り向くと、高々と右手を掲げる人狼――。
叫ぶ暇もなかった。翻された人狼の腕。その先に煌めく鋭い爪によって、園田の首は切り裂かれた。
彼が最後に見たのは、噴水のように吹き上がる自分の血だった。
4体の人狼達は、各自が殺害した者からそれぞれ心臓をくり抜くと、握りつぶした。
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