万年友

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僕は頬を撫でる冷たい風に起こされて目を覚ました。 辺りは暗い。夜中であることは確実だ。 「心配してるだろーなー.....」 今いるのは、公園のある場所よりさらに上へ登った所にある山の崖の下だ。 (そうだった。僕は今日自殺したんだ) 普通なら骨折くらいはしていてもおかしくはないのだが、奇跡的に充一には何の怪我もなかった。 唯一の明かりである空の月を眺めてぼーっとしながら今後どうしようかと考えていると、不意に強い頭痛が充一を襲った。 「いッ!!」 崖から落ちた時に頭を打ったのだろうか。頭を鈍器で殴られたような痛みがした。 ようやく痛みが治まったかと思うと、次は知らない記憶が充一の脳を駆け巡った。 その記憶が教えてくれたのはただ一つ。 力の使い方だ。 思いを伝える為の力の使い方。 そしてその力を持つ者は恐れられ、人々は呼ぶ。 「イアド...」 と。
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