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昔は、家出といえば近所の寺社の縁の下や公園の土管の中で一晩過ごして終わるのが常だった。親兄弟とどれだけ激しい喧嘩をしても一晩経てば頭も冷えるし、家族が恋しくもなる。そんな経験が野田にもあった。自身もまた、高校に上がるまでは何度もそんな家出を繰り返していた。 ところが、今の子供たちの家出は第三者を介在させるものへと変わっている。気軽にSNSを駆使し、家出先を簡単に探し出す。人生経験の浅さ故に危機感も持たず、見知らぬ大人の家に上がり込み、そこで重大な犯罪に巻き込まれてしまうケースの急増は、今や社会問題にもなっている。 そして、そんな社会問題の影は今こうして野田の目の前で残忍な連続殺人事件として重々しく佇んでいた。
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