その後

1/1
82人が本棚に入れています
本棚に追加
/13ページ

その後

次の瞬間、大きく揺さぶられて目が覚めた。 「大丈夫ですか? どうしました?」 「はい」 答えてから、気づいた。 これ、英語? 目を開けると、隣にはジェラールが倒れている。 ただ、ジェラールが……小さい!? 巨人ではないジェラール。 私もジェラールも病院には連れて行かれたが、どこも異常はない。 ただ、飛行機事故で記憶が混乱しているとは言われたが。 私は飛行機は荒野に不時着して助かったと答えた。 それを助けてくれたのがジェラールだとも。 けれど、その荒野がどこなのか、私もジェラールも答えられない。 答えられないけれど、私たちがここに存在しているのは間違えようのない事実で…… 結局、ジェラールには、新しくイギリス国籍が与えられ、私たちはこの世界で新たな一歩を踏み出すことになった。 ジェラールは言葉も分からず、国王の座も失った。 それでも、私たちは今、幸せだと言える。 神さま、私たちの願いを聞き届けてくれてありがとう。 私が、釣鐘草のブーケを手に、優しいジェラールと結ばれるのは、それから4年後のお話。 ─── Fin. ─── 905c963e-bcd3-4cd2-b92b-8e326d3e5eca
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!