袖引き煙草に押し付け茶

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袖引き煙草に押し付け茶

 学校に行くとクラスにはすでに人がいた。 「葉月。おはよう」  席に向かう途中後ろから声をかけられた。  振り返るとそこには女子生徒がいた。 「紅葉(もみじ)ちゃん、おはよう。早いんだね」 「まぁね。ちょっと用があって・・・・・・」  紅葉が少し暗い顔をしたのを葉月は見逃さなかった。 「紅葉ちゃん、何かあったの?」 「えっ、いや、何でもないよ。はは」  紅葉は手を振りながら否定した。 「あっそう言えば、今日の3時間目って何だっけ?」  急な話題転換をした紅葉だったが、葉月はそれ以上聞かないことにした。 「3時間目は現代文だよ。『こころ』の続きだと思うよ」 「あの話面白いよね」  そんな高校生らしい会話をホームルームが始まるまで続けていた。
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