袖引き煙草に押し付け茶

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 4時間目が終わり昼休みになった。  購買に昼食を買いに行く人、グループを作って昼食を食べる人様々である。  葉月はいつも通り紅葉と昼食を食べようとしていた。 「紅葉ちゃん、一緒にお昼食べない?」  紅葉の机の前に行って葉月は聞いた。 「ごめん、葉月。先食べてて。ちょっと用事済ませてから戻るから」  そう言うと紅葉は席を立って教室から出て行った。  5分もしないうちに紅葉は戻ってきた。  その顔は朝に見せた暗い顔をしている。 「どうしたの、紅葉ちゃん?」  聞かない優しさもあるのだろう。  友達を放っておけないというのも優しさである。 「うん、実はね、葉月」  葉月の優しさに話す気になたのだろう。  葉月には人の心を開かせる優しさがある。  話を切り出した紅葉の声は少し震えていた。
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