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99日目。
この日は、最後だからと、近所の森林公園でデートをした。ミトとかおるは、手を恋人繋ぎをしてまったりゆっくり歩いた。
「俺との夫婦生活はどうだった?」
「た、楽しかった。」
「それは良かった。」
かおるは、前をむいたまま口角をあげた。
「今日が最後だねぇ〜。」
「そうだな。」
ミトは、寂しい気持ちになり、握っていた手をぎゅっと力を込めて、俯いた。
かおるは立ち止まり、ミトを抱きしめる。
「ミト、俺の願い事を叶えてくれてありがとう。幸せだったよ。」
ミトは、かおるの胸の中で呟く。
「ずっと夫婦でいたかった。」
かおるは、驚いた様子で、ミトを見る。
「俺の事好きになってくれたの?」
ミトは、真っ赤になりながら、頷く。
「ふざけた男だと思っていたが、この100日だけ夫婦で、お前のーーー」
涙で、それ以上言葉が出なかった。
かおるは、微笑みながら、ミトに軽く口付けした。
「ありがとう。俺もミトが大好きだよ。」
ミトが泣き止むまで、かおるはその場で抱きしめ続けた。
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