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12月31日23時59分
ミトは、胡座をかいて境内から外を見る。
「どんな願い事がでるのかのぉ〜」
かおるは、ミトの横でブツブツ何か呟いていた。
とうとう、頭がいかれてしまったか?と、ミトは呆れながらかおるを見やる。
1月1日0時
「神様お願いしま〜す!ミトちゃんが人間になって、俺の嫁さんになってくれますよ〜に!!」
かおるの大声で、しかもとんでもない願い事を言う物だから、年始の参拝客は爆笑していた。
ミトは、驚愕しすぎて、これでもかと目を見開き、開いた口が塞がらない。
絶句しているミトを見て、かおるはウィンクする。
「神様、お願いします?」
「この戯けが!!お前が言ったミトは、私の事であろうが!?しかも、神様お願いします!とな!?神様は私だっ!!なぜ神様の私が、人間にならねばならんのだ!!しかも、アホな神主のお前の嫁とな!?」
かおるは、ニヤニヤ悪い笑いをしていた。
「ミトちゃん、100年毎願い叶え年の願い事は必ず、叶えてくれるんでしょう??どんな願い事でも!」
ミトは、こんな前代未聞の願い事なんぞ聞いたことがないと眉間に青筋が何本も立つ。
プルプル怒りで身体が震えるミトに、かおるは提案する。
「じゃあ、100日だけ。100日だけ人間に戻って、俺の嫁さんになって?」
ミトは、自分でとんでもない事を考えてしまったと激しく後悔した。
だが、決めたことは仕方ない。叶えてやろうじゃないか。
「100日だけだぞ?」
かおるは、パァーっと顔がこれでもかという笑顔になる。
「みっとちゃ〜ん!!大好き!!」
ミトに抱きつこうとしたが、まだ、人間に戻ってないので、ミトの身体をすり抜け、バタンと倒れた。
「このアホが!!」
ミトは、はぁ〜とため息をついた。
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