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「早速、ここで新しい物語を書いてもらってもいいでスタよ。せっかくだからみんなで合作とかやってみたらいいスタ」
エブスターは弾んだ声で言いましたが、みんなはちょっと戸惑ってしまいました。
「そんなこと、急に言われても……何も思いつかないでし」
「そういう時こそ、みんなで話し合うスタ」
そのためのコミュニティフロアなのでスタ!、とエブスターが力説するので、どうぶつさんたちは緑色のラグの上に集まり、八つの頭を突き合わせて話し合う流れになりました。
「さあて、タヌキはなんや簡単に言うてくれたけど、どないしょ? 何かぱっと思いつくネタがある人おる?」
珠姐ぇが丸く輪になったみんなに問いかけると、建さんが口を開きました。
「やっぱり旅行モノでパシャかね? 雪山登山なんかだと、それだけで物語になるでパシャ」
建さんの提案は、どうやら窓の外の雪と森の景色から思いついたもののようです。
その隣で千さんがうんうんと頷きました。
「なるほど。伝説の剣豪に挑むための秘技を求めて高き山に登る訳でごさるな」
「え……っと、そこまで過酷な旅にするでパシャか?」
かなり違った山登りをイメージしているらしい千さんに驚いていると、その背後でカナカナがくっくっく、と引き笑いを漏らしました。
「山といえば、ヤマトリカブトでシマね。あれは痺れるお味でシマ」
「え? トリカブトって食べていいんでニャ?」
確か毒性植物だったはず……とアキたんが首を捻ると、カナカナは口角をいっそう引き上げて不気味な笑いを浮かべました。
「食べた人の話によると唇と舌が痺れるらしいシマ。そのうち顔面が麻痺して、放っておくと呼吸の方も……」
「ホンマの痺れる方やんけ!」
珠姐ぇが鋭くツッコミ、あまりの恐ろしさにいっちぃといっかちゃんは手を取り合って、ブルブル震えだしました。
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