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2章 みんなで館内を満喫するよ~♪
「まずは館内のご案内をしますでスタ」
エブスターはどうぶつさんたちを連れて階段を上り、二階へ向かいました。
「ここが『フォレストヴィラ・ゆざわ』の最大のウリである、創作のためのコミュニティフロア『エブ友の森』でスタ」
「すっごい広いでし~」
おハナが歓声を上げるのもそのはずです。コミュニティフロアは2階の全てを使った広々とした空間だったのです。
吹き抜けになっているエントランスを見下ろせるのはもちろん、外壁の360度がガラス張りになっていて、その窓の外には『フォレストヴィラ・ゆざわ』を囲む森の木々がすぐ目の前に迫っています。
大きなテーブルもいくつか設置されていますが、フカフカの緑色のラグがひいてあるエリアなどには大きなクッションもたくさん置かれていて、気軽に横になることもできるようです。
そして森の見える窓に添っては細長い机も用意されていました。
ここは森を見つめながら一人で思案にふけるも良し、テーブルに座ってみんなでおしゃべりしながら話を練るも良し、ラグの上でごろごろしながら息抜きするも良しという絶好の創作の場のようです。
「アキたんはここがいいでニャ!」
アキたんは歓声を上げてクッションの山の中に飛び込みましたし、おハナは木製の大きなテーブルに駆け寄りました。
「可愛いでし。この椅子、切り株になってるでし」
「まるで森の中で過ごしているみたいっキュ」
おハナの隣の切り株に、いっかちゃんもぴょんと飛び乗りました。
健さんはもちろん、そんなみんなをカシャカシャと撮影。
「ふふふ。いっかちゃんの言う通りでスタ。ここだけはバブル期の華やかな雰囲気を取り払って、心地よい森の中で過ごすイメージで作ってみたでスタ」
エブスターは寛いでいるどうぶつさんたちに向かって、自慢げに胸を張って言いました。
「こういう豊かな自然環境の中だと創作意欲向上につながるってことは、テレビを見ていてぴんと来たでスタ」
いっちぃがテーブルの上に置いてあった銀色のノートのようなものに触れました。
「これは何でビエ?」
「それは貸し出し用のノートパソコンでスタ。各自ログインしてもらったらエブリスタに入れるように設定してあるスタ」
ノートパソコンは人数分しっかり用意されています。いっちぃが試しに操作してみたら、簡単にログインすることができました。
「さすが『エブ友の森』。エブリスタとは直通ビエね」
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