*7.引き金を引いたのは

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 俺は僅かに目を細めながら、急くように指を2本に増やし、ひくつく隘路をかき分けるようにして同じ場所押し上げる。  一方で喉奥へとくわえ込んだ河原の熱を、吸い上げるようにしながら頭を上下させ、そのまま彼を頂へと追い上げていく。 「や……っぁ、あぁ……!」  一拍の後、河原は背筋を弓なりに反らせた。かと思うと、口の中へと白濁が放たれる。  認めたくないように何度も頭を振りながら、そのくせ、俺の体温が惜しいみたいに、びくびくと下腹部を震わせて――。 「は……、ぁ……」  中に残る残滓すら吸い上げ、嚥下して、俺は静かに顔を上げた。  口許を拭いながら、河原の胎内からも指を抜き、無言で河原の服を軽く整える。 「……ばかだな」  うっすらと開かれた双眸が、虚ろに中空を見詰めていた。(まなじり)から遅れてまた涙がこぼれる。  俺は見たくないようにその目元にそっと片手を乗せて、 「そういう時は、嘘でもわかったって言っときゃいいのに……」  視界を塞いだまま、河原の唇にキスをした。  まるで風が撫でるみたいな、掠め取るようなキスを。 「……悪かった。…………でも、言ったことは取り消さねェから」  俺は立ち上がり、ぽつりと落とした。  そして泣いている彼を残したまま、部屋を出て行った。
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