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あれからハルに事情を聞いた桜井に
かなり冷やかされながら、数日が過ぎた。
明日は、いよいよ夏祭り。
ハルと桜井のおかげで、井川君と4人でお祭りに行く事になった。
嬉しいけれど、展開が早過ぎて緊張してしまう。
ハルが「今日は浴衣着て行こうよ」
と言い出したもので、私も浴衣を久しぶりに着ることに。
茶道部に所属しているので、着付けは一通りできるけど。
井川君のために気合い入れすぎとか少し恥ずかしいし。
とにかく放課後家に来てハルの着付けも一緒にすることに。
ヘアアレンジは母のサロンでお願いする予定。
今はサロンで母に事情を話してるところだけれど、
肝心な所を何も言わずとも、母には分かってしまうようでニヤニヤされてしまう。
「何?そんなに気持ちわるい顔しないでよ」
と言えば、母の節子は
「何か、青春だなぁって嬉しくてね」
と言ってくる。
「今日はセットのお客様が夕方から沢山入ってるから、山口君にお願いしとくね」
の声を背に一旦自宅へ戻る。
母にだけは、この初恋の事は秘密にしたい。
恥ずかしすぎるよ。話せばきっとご近所中に広まるし。
和室へ行き桐箪笥から浴衣一式を探し出して、準備にかかる。
ハルが来る前に自分の着替えを済ましてしまいたくて。
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