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祭りがあまりにも楽しくて最初の緊張は何とか解けてきた。どうなることかと思ったけど
ハルと桜井がいるから、何とかいつもの私に戻れた。
金魚すくいに熱中しているうちに、ハルと桜井の姿が見えなくなってしまった。
キョロキョロしていると、肩を優しく叩かれて
「いたいた。岡山さん、オレも桜井達とはぐれてしまって。しばらくオレと2人だけど大丈夫?」
とあの優しい笑顔で話してくれる。
見惚れつつ「うん」と返事するので精一杯。
「アイツどこ行ったのかな?」
しかめ面で呟くその姿も素敵で、チラッと盗み見てしまう。
「桜井は自由すぎる所があるから、私もいつも手を焼くんだー。そのうち戻って来ると思うけど。」
なるべく普通を装って言ってみるけど、心臓は高鳴ってておさまりそうもない。
「オレは付き合いまだ浅いけどアイツって何かそう、」
「「猫かぶってる」」
思わずハモってしまって自然に笑い合える。
しばらく桜井ネタでひとしきり盛り上がり、打ち解けられた。と思う。
「岡山さんって、こんなに話しやすいって思わなかった」
井川君の一言で嬉しくなり、このままずっと一緒にいたいななんて思ってた頃。
「井川先輩?」
可愛らしい声が耳に届く。
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