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いつもの様にソファで寛いで
まるで住人かのようにしっくり馴染む様は思わず
「もぉ、寛ぎ過ぎ!」
と小言を言いたくなる程で。
「もーらいっ」
と、意に介さず楓の持つトレーの上からアイスティーを掠め取る様は、もはや……
脱力し、サイドテーブルにシフォンケーキを置いて桜井の横へ何も考えずに座る。
ゴクゴクと喉を鳴らしてアイスティーを飲み干すその喉元が
いつの間にか随分と男の人だな、とジッと見つめてしまい。
「何?なんか付いてる?」
と桜井が気づいてしまう程で
ぶっきらぼうに
「別に。」
と返す。
すると何か閃いたようで
「あ、そうか。置いてけぼりで拗ねてるんだった」
と意地悪な笑顔でからかいにかかってくる。
「違うし」
と否定してみても、そうか、置いてきぼりとも言うのか、と妙に腑に落ちて。
でも
「2人とも夢に向かって歩いているから、邪魔できないでしょ」
これも本当の気持ち。
「てか、桜井も置いてけぼりでしょ。ハルに。」
ふーんと対して興味もなさそうに相槌を打ったと思ったら
「それで、明後日は井川の応援行くの?」
と、ドキドキの話題を振ってくる。
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