青空の似合う人

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私の自転車が故障してて、泣く泣く桜井の自転車に2人乗り…… 学校や警察に見つからないか気が気じゃないけれど 夏の朝の少しだけ涼しい空気がとても気持ちよくて、思わず深呼吸してしまう。 丘の上からの坂道をスピードを上げながら走る自転車。 新緑の木々がザワザワと音を立てながら揺れている道を抜けて カーブに差し掛かると視界が開けて、潮風が頬を撫でる。 朝日に輝くエメラルドグリーンとコバルトブルーのグラデーションが美しい海が眼下へ広がると (今日も、元気だよ) 少しだけ、感傷的になりながら、海の上にいる大好きな父へ向けて挨拶をする。 「今日も、いい潮風だな」 くしゃくしゃの笑顔で少し振り返りながら桜井がそう言うと 思わず心が跳ねて嬉しくなり 「うん」 どこへだって行けそうな、なんだってできそうな素敵な気持ちで一杯で 世界が輝いて見える。 いつの間にか逞しくなった、桜井の肩を掴みながら そう、思えた。
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