初恋

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「そういえば、もうすぐ夏祭りだね〜!」 ニコニコしながら話に割り込んできたのは もう1人の親友、長瀬(ながせ)(はるか) 人懐っこくていつも笑ってて瞳がこぼれ落ちそうな程ぱっちり二重で 肩まである髪は巻かなくてもふわふわな可愛らしい彼女。 でもそう言うと本人は心外だとばかりに不機嫌になる。 可愛いより綺麗って言われたいと、可愛く拗ねるからどうしようもない。 「ハルはどうせ彼氏と一緒でしょ?」 頭を撫でたい衝動を抑えて、少しからかってみる。 ハルは、はにかむ笑顔でやだもー。なんて言ってる。 「文乃は?行くの?」 先程の暇発言から机に突っ伏した彼女が、そのままの姿勢で視線だけよこし 「人混みキライだからパス。」 こちらはつれない返事。 毎年の事だし、分かってるけどね。ハルと2人顔を見合わせて笑う。 「オレの事呼んだ〜?」 とハルの彼氏、桜井(さくらい)優斗(ゆうと)が呼んでもないのに話に混ざってくる。 桜井は凄くモテる。顔と成績はとても良いけど、時々見せる黒い一面を私だけは知っている。 出会った頃は泣き虫で小柄で女の子に間違えられる程可愛かったのに。 今では私の前でだけ悪態をつき、他では笑顔の王子さまを演じてる。 華麗なる成長を遂げた奴。 そんな奴が二ヶ月前からハルと付き合いだした。 最初は心配だったけれどハルに対して向ける眼差しがとても優しくてハルも幸せそうで。 親友としては本当に嬉しい。 「別に呼んでないけど。」 とクールに文乃が答える。 「おっ、女王様はご機嫌ナナメか?」 桜井がおどけて見せるけれど文乃はまた机に突っ伏した。
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