蒼い夏空

独白

たしか、あの日は5月だったよね、まだセミが鳴いてなかったし。先輩たちが修学旅行とかでいなかったんだよ。顧問も3年生の担任だったから、一緒に修学旅行に行ってたんだ

あの日は、朝練があったんだ。だからいつもどうり、ＴとＭとＳとで集まって学校に行ってたんだ。
学校に到着したあと、いつもどおり部活の準備をしてたんだけど、私の竹刀が一本なくなってたんだ。
私の不注意か、誰かが意図的に隠したかはわからない。だけど、事実は私の竹刀が一本なくなってたってこと。
それを探してたんだけど、そのことが梶谷に見つかってバカにされたんだよ。

バカにされるのなんていつもどおりだったから無視してたら、その日は向こうの機嫌が悪かったのか殴ってきたんだ。
その時はＴが間に入ってくれたんだけど、練習後片付けをしていたら後ろから殴りかかられたんだよ。
それで終わればいいものの、もう一発食らったんだ。

木刀で。

木刀一発、拳で一発ならまだ耐えれたかもしれない。けど、もう一回あいつは木刀で殴った。
要は、２回木刀で殴られたんだよ。
その後は、よく覚えてないんだ。いかんせん出血多量だったから意識が朦朧としてたんだ。