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どうか、
空に向かって呟いてみる。
どうか神様、
もちろん返事なんてないけれど、青い空にハケで刷いたような掠れた雲が少し流れたから。
どうか神様お願いします。
跪いて、額の前に組んだ手をぎゅと握って。
「「仲直りができますように」」
大事な大事なお願いをした。
「え?」
お祈りに被った聞き覚えのある低い声。
もしかしてもう聞けないかもしれないと思ってた、優しい声。
慌ててそちらに振り返る。
「「さっきはごめん」」
また被った言葉に、顔を見合わせて。
それからおでこをくっつけてくすくす笑った。
神様、どうもありがとう!
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