(一)

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 そんな超すごくて超カッコイイ超しっかり者の未来子さんが、今、へべれけのデロンデロンになって、ラブホテルの一室のベッドの上で無防備な姿を僕の目の前にさらしているのだ。よほど嫌なことがあったのだろうか、こんなに荒れる姿を見るとは思わなかった。いつもと違う姿を見てしまい、それ以上どうしたらいいかわからなかった。  でも、僕は勇気を出して、彼女を抱きしめてみることにした。隣に座り、腰の少し上くらいの位置で背中に手を回した。それから黒くて長い髪をそっと頭の方から腰の方へと撫でた。ゆっくり何度も「安心して下さい」と言って落ち着かせた。 (続く)
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