(二)

4/21
前へ
/30ページ
次へ
「さっきみたいなのって?」 「プロポーズのことよ!」  もちろん覚えているけれども、一度はプロポーズしてしまったのだから、仕方ない。もう引っ込みは付かないし、僕はあのとき、ベッドに横たわる未来子さんを見て、本当に大事にしたい人なんだって思った。だから忘れることなんてできない。  しかし、キツイ口調で「いいわね?」と言い残し、未来子さんは部屋を出て行ってしまった。  翌週の月曜日。未来子さんは再び午前中にお休みをとった。しかし、今度は検査結果を受け取るだけだったらしく、正午になる前には出勤してきた。 (続く)
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1188人が本棚に入れています
本棚に追加