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まさかその同級生すら彩香の死に関与しているのではないかと思わせる事態だ。
しかし、同級生が自分の恋人の死に関与していたとは思いたくないだろう。それにあの事件は播磨伊織の仕業だとみんなが思っている。なにせ目撃者がいるのだから。しかし…手引する人間がいなければあのコテージでパーティーを行うことなど誰も知らなかったはずだ。それにあの山奥まで誰の手も借りずに一人で来れたのだろうか…そう思うと疑問も沸く。
野本は小さくため息を吐くと、気持ちを整えるように座り直した。
「すみません…続きをどうぞ」
野本が言うと、岳が再び話を始める。
「えーっと…他にも井上雅春の同級生が多く関与しています。戸田清司、佐藤小太郎、加賀恵美理の4人は中学時代からの同級生で、4人とも大麻をやっています。それから、雅春の元カノである小牧礼美も大麻常習者です」
「ん?」と、彩羽が顔を上げた。
「礼美…って、昼間喫茶店で名前呼んでなかったっけ?」
彩羽が訊くと、岳が頷く。
「喫茶店の店員が小牧礼美だ」
そう言われて彩羽は納得した。あの違和感のある化粧、手指のしわなどは薬物使用によるものだと理解したからだ。
「ちなみに、最近、雅春はルスツの別荘で大麻の栽培をしています。うちの組がその売買に噛んでいるようで、時々偵察に行ってます」
「お前がか?」と、江原は訊いた。
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