関係者

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リビングに行くともうすでに全員出勤した後なのか、誰もいなかった。ダイニングのテーブルにはメモが乗っている。 『学校に行って来ます。彩羽さん、散歩行くなら牛乳買ってきて欲しいです』 この丸文字は美乃梨の字だな…と思いながら彩羽は「オッケー」と呟いてメモをごみ箱に捨てた。 そのままキッチンに行き冷蔵庫を開ける。 時間的に遅いから朝食を食べず、野菜ジュースを飲む。 それから洗面所に行って顔を洗い、歯を磨く。化粧水と乳液で肌を整えると日焼け止めを塗る。あとはもう化粧はしない。どうせマスクで隠れるのだ。まあ、あの男はキス魔だからマスクを外される恐れはあるが、すでにすっぴんを見られているし気にする程でもない。 リビングに戻った彩羽はしばらくリビングでワイドショーを見ていた。 とうとう日本にもオミクロン株が入ってきたと報道している。 「まあ…そうなるわなぁ。日本(うち)の政治家たちはのんきだよねぇ」 そんなことを呟いていると携帯が音を鳴らした。 画面を見ると『ついたよ』の文字。 「ついたよっておかしくない?そもそもなんでうちを知ってるわけ?意味わかんないんだけど」 独り言をぶつぶつと呟きながらテレビを消し、リビングを出て玄関へ向かう。
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