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彩羽は直感した。
ああ…やっぱり岳はヤバい奴だ。しかも店で嗅いだあの不思議なにおいの正体はおそらくヤバいブツだ…と。
店内で物がぶつかり、壊れるような音が何度も聞こえる。
そして突然店のドアが開いたかと思うと、数人の男たちが飛び出してきた。
危機を察してドアから離れていた彩羽はなんとか人と接触せずに済んだ。…が、その人たちは逃げるように店から走り去って行く。誰を見ても派手な服装、太めの喜平ネックレスをしている。どちらかというとヤバい奴らの手先…ってところか。
そして再びドアが閉まる。
「分かってんだろうなぁ。てめぇ…この街を汚す気か?普通の住宅街だぞ?こんなことがバレたら大騒ぎになるのは目に見えてるよなぁ?」
「すみません…すみません!!今後はもうこの店では吸わないんで許してください!」
「そう言ってこれで何回目だ!?てめぇ、一向に反省しねーじゃねーか。こっちが下手に出てりゃあいい気になりやがって……。そもそもてめぇなんか最初から眼中にねぇんだよ。てめぇのお友達が有名な官僚の息子だから相手してやってただけだ。でもそのパイプももうなくなったからな。てめぇを守る理由もねぇんだよ」
「そ…そんなこと言わないでくださいよ。それにあいつの父親、まだ役に立ちますって!現総理とも関係築いてますから!」
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