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いい加減疲れていた。
古臭いカーステレオについているデジタル時計は、間もなく三時を迎えようとしていた。
もちろん真夜中のだ。
こんな時間にドライブ。しかも後ろには友人も乗せている。
ヘッドライトを頼りに進む夜の道。
端々に訪れる視界のにじみが、目と頭の疲れを如実に表していた。
それだけじゃない。全身疲れている。
こんなに疲れたのはいつ以来だろうか。
引っ越し屋のバイトの時以来?
ミラーを確認する際に、窓ガラスに自分の顔が映っていた。
何となくその目が虚ろに思えた。
気が昂っているのか、眠たくは無かった。
だが、万が一にも逮捕や事故といった事態は避けねばならない。
後ひと踏ん張り。
自分に言い聞かせ、ハンドルを握る手に力を込める。
交通法規の順守に心がけつつ、俺は精一杯急いだ。
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