第一章 親指姫の憂鬱 ③

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第一章 親指姫の憂鬱 ③

ああん…… 顔を背けた姫の横顔はコインに彫られたもののように端正でした。 ガマガエルは更に大胆になって舌を直に小さな胸に絡みつけました。 「ママ……」 急に寝言を口にしたので、びっくりしたガマの親父は舌先をすぼめるのを緩めてしまいました。 濡れた生暖かいベロがそのままデロンと姫の片方の乳房を包んでしまいました。 薄っすら目を覚ました姫は、大きな悲鳴をあげました。 今にも襲い掛からんとする巨大な化け物が 眼玉をぐるぐるまわして頭上から見下ろしていたのですから。 「ご、ごめんよ姫様。 どうか大きな声をあげないでおくれ」必死で頼みました。 「きゃああ!助けて!助けてえええ!!だれか!パパ!ママああ!!」 動転した姫は何とか外へ逃れようと、 大きな枕の上にのりガラスの壁を小さな拳で叩きました。 「しーっ、静かにしておくれ!しーっ」 思わずガマの親父の舌が姫の夜着の上から背中を舐めてしまいました。 「おやめっ!いやよお!!」 こうなるといよいよ姫も必死になります。 「もう!どうしようもない娘だな!  あの夫婦に見つかったらオレは縛り首だ!」 開き直ったガマカエルは 後ろから器用に舌で姫のドロワーズを脱がせ、 固いお尻を舐めまわしました。 やあああ!あ!あ、ああああ…… 逃れる事しか考えていなかった姫は 思わぬ感覚にビクンと震えました。 舌先がお尻からその先へと侵入し姫の一番女らしい部分を刺激したのでした。 あん。ああ……あ、ああ…… 絹の枕に顔を埋めて小さな拳はぎゅっと絹地を掴んで躰を小刻みに震わせます。 もう、ガラスを叩いて助けを呼ぶのを止めてしまいました。 よし。よし。 その様子にすっかり気を良くした親父は何度も何度も舌先を前後に動かしました。 いや。いっ。う。ううう……あん。あん。あん。ああああ 姫の頭の中は官能の刺激で混乱の極みに陥りました。 これはいけないこと……悪い子。 わたしは悪い子。 でも、 いつまでもコレを感じていたいという本能にはどうしても勝てませんでした。 されるがままなった自分を呪い。 ガマを呪いました。 ニタニタ顔になったカエルの親父は調子にのって、 舌の動きをどんどん速めました。 いやあああああーーーー しなやかな背中が徐々に反り返って 顎があがり 苦し気な喘ぎ声が むせび泣きに変わるのでした。
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