第二章 白雪姫の妬心①

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第二章 白雪姫の妬心①

侍女は女主人である白雪姫をぐんぐんひっぱって、 廊下を歩き突き当りの扉を開けました。 百二も近い様々な奥方のドレスやケープ、コートや帽子の箱がぎっしり並んでいます。 「お母さまの衣裳部屋。ここで何を……あん!」 いきなり後ろから背中を押され、 クッションがこぼれそうなカウチに押し倒されました。 姫が顔をあげるとそこには楕円の大きな姿鏡があり、 自分の小さな蒼白く大きな黒い瞳を見開いた美しい顔が映っていました。 小卓の上には十二本の蝋燭が燃えています。 「御覧なさいませ。 姫様の方がずっとずっと上ですわ。 女としても。ほら。こうするともっとよくわかりますわ」 マリー・アンヌは、姫の細い両肩から薄物の夜着の襟をぐっと下に落としました。 白く艶やかな両肩が現れ、 レースが泡になって縁どる乳房も大きく覗けました。 ーーー確かに。あんな娘より、わたくしの方が断然女らしいわ。 クッションに両肘をついて満足のため息をもらしました。 「きゃあ!!な、なん、ん、なんなの!?」 するりと剥ぎ取られたドロワーズの股間にどろりと液体が塗られました。 「あ、あああ……ああ……熱い。ああああ……マリー……ああ」 侍女の手はピアノの鍵盤を爪弾くより 巧みに王女様の蕾も花唇もいじりました。 「麝香の薬ですのよ。これで姫様も罪深い堕天使におなりです。ほほほ」 あれよあれよの間に 白雪姫はさっきの親指姫と同じ格好になり同じように 快感を引き出され喘いでいました。 その上、マリー・アンヌは鏡の中の白雪姫に話しかけながら 「ほら。姫様のここは如何でしょう」 あん!あああ、あん!いや。いやあああ……あああ 侍女の両手が乳房を揉みしだき始めると、 姫は両手でカウチの縁を掴んで悲鳴に近い嬌声をあげました。 妖女に嬲られる自分の躰を余すところなく鏡が映し出しています。 自分の眼で自分のしどけない姿を見出した姫は 余りの羞恥に いや!おやめ!もう、もういやああ!だめえええ!! 「本当に?もうこれでお仕舞にしておきましょうか」 ふいにマリー・アンヌの手が止まって 躰はガクリとクッションにうつ伏せました。 うっ。うっ。ひっく。ひっく。 涙しながら先程までの信じられない快感の波にのまれた自分を恥じました。 侍女は姫が泣き止むまで黙って傍に座っていました。 「おまえは知っているわよね。わたくしは、既に乙女ではありません」 「ええ。存じております」 ブランケットを姫の背中にかけてあげながら、 「姫様の責任ではありません」と無上の優しさを込めて語りました「大丈夫。姫様はこれから倖せを掴む運命なんですもの。ね?」 「ありがとう。もう!男の王子様よりあなたの方が良いわ」 画家の描いた線の様に丸みを帯びたマリー・アンヌの顔を見上げ、 白雪姫は微笑みました。 ーーー可愛い姫様……ちょっとひねくれた姫になっちゃったけど。 可哀相に。本当に可哀相。実の親に犯されて苦しむなんてーー 金髪に小麦の肌の侍女は仰向いた姫に馬乗りになりました。 コルセットで少し潰した自分の豊満な胸元を姫の乳房と何度も擦りあわされました。 ……はあ。はあ。はああ。ああ。うううう…… 二人はカウチの上で互いの髪に手をいれ抱き合い 激しく何度もキスを交わし合いました。 この時。 二人は知る由もなかったのです。 誰かが見ていたなんて。
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