飛鳥IIに魅せられて

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ごめんなさい、行きたい場所があるの、どうしても。 帰りが深夜になるかもしれないため、身内に予定の報告をしました。 今じゃないとだめなのか? 最もです。 だけど、船はまたなにかあれば運行停止になるかもしれない。 経営だって良くはないだろう、外国ではたくさんの客船が売りに出されたというニュースも耳に入っていました。 タクシーで行く。一人で。船を外から眺めるだけだから誰にも迷惑はかけない、と説明しました。 車、出したろか? うそ…… 船にも海にも興味すらなさそうな身内です。万一帰ってこないなどの不測の事態に備えて行き先を告げておこうと思っただけなんです、単独行動だから。 一人やろ? かまへん、乗してったるわ。 神戸まで、車を出してもらえることになりました。 当日午後3時ごろ、車は阪神高速をぶっ飛ばし(オイ!)ました。 これは夢じゃないだろうか。 普段から体調の悪い引きこもりの私にとって車に乗ることも、高速道路でさえ新鮮です。 知らない街並み、雲が切れて差し込む太陽のまぶしさ、見るものすべてが美しく思えました。 飛鳥IIに会える。 思うだけで涙が止まりませんでした。 まだ着いてもないんですけど……。 766f646c-dcbc-449b-a482-c811e9356a00 ポートターミナル駅の下に駐車場があり、ほぼ迷うことなく到着しました。 飛鳥IIは? もう見えるはず、見えるはず! と車から叫ぶ私。 駐車場を出て建物内に。立っている関係者のかたに見学です! と告げて外階段を上がり、ロビーの中へ。 と、とりあえずトイレ……、と緊張のあまりトイレ探しからスタート。 トイレを出ると、その向かいには大きな船舶がありました。
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