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繋留ロープはもういいよ……。
まあそう言わずに。
そうだ、船尾にある横浜の文字を撮らなければ!
やや落ち着き、船尾に向かう私です。
よこは……ま? 読めねえな……
展望デッキから下に降りることはできないため、真横からの撮影しかできません。
後ろが撮れねえよ、と身内にボヤくと、ターミナル駅を上がってくる道路をさし、あそこに人おったで、行けるやろ。
行ってくる!
わあ! と走る不審者。
展望デッキから離れて道路に出られました。
よこは……ま!
努力は買おうよ……。
船尾に書かれた横浜という文字のみを狙う不審者。
回ってたレーダー。これで位置や天気や色んなものを計測するんだろうな……。
そうこうしてるうちに、ライトアップがはじまりました。
船内放送が聞こえ、乗客の方々に非常時の行動や、救命胴衣の説明をデッキで行われておりました。
おぉー、船内放送。乗った気分になれますね。
そろそろ出港するのね。では、船首に戻ろう。
ライティング船首です。
日も暮れはじめて、船を美しく彩ります。
そして、船内放送。
キャプテンから、本日はご乗船ありがとうございます、という手短なごあいさつがありました。
続いて、チーフオフィサーから船の航路とこれからの予定を説明されます。
作中、キャプテンとチーフオフィサーという肩書きのキャラクターが思い浮かぶも、一周回って冷静な私。あ、日本語だし、日本船籍だし、日本人だもんな。
繋留ロープが2本ずつ外され、巻き取られていきます。
これはたぶん、ロープが絡まるのを防ぐためだろうと思われます。
静かなエンジン音が響きはじめ、海面に白波がたちはじめます。
出港だ。
前へ進むというよりは、岸壁からゆっくりと離れていきます。
動いて、る? って感じ。
慌てて動画に切りかえ、もうそろそろいいかな、と止めた瞬間、汽笛が鳴り響きました。
やらかした!
慌てると操作不能になる私、汽笛は長く、3回でした。
そのうちの最後だけを動画に捉えることに成功。
汽笛!
鳴ることは知っていたのに、なぜ鳴るまで思い出さなかったのか。
悔やまれます。
離れていく飛鳥IIに、ようやく手を振る余裕のできた私です。
美しい……、とても優美な姿。
これが見たかった……
去りゆく、後ろ姿です。月がでていました。
そして、話にはオチをつけなければならないという定めを背負っている大阪人としては。
大きすぎて港を旋回できない飛鳥IIのケツを押す曳航船を捉えていました。
地図を思い出してもらうとわかりやすいですが、飛鳥IIは北に船首を向けていました。
つまり旋回するには距離が足りない。
曳航船、可愛くて力持ちで大好きなんです。
飛鳥IIを引いてくれるのかな? と思ってたら船尾にいたらしい。
私、船首にいたから気づかなくて。
飛鳥II、ケツ押されてるやん……ってなりました。
押して、進行方向に曲げてくれてるんですね。
押し終わると、飛鳥IIを案内するように追い越していきました。
素敵〜。
これは神戸港だから行われる技なのか、別の港では違うのかは比べようがないのでわからないんですが。
なんて言うか……
押されてる飛鳥II、可愛い。
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