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それから私は遊児を全力でサポートし尽くした。塾が休みの日には学校に残り問題集を一緒に解いたり、私立中学の受験問題を数十年分全て集め傾向と対策を考えたり、休みの日には「教師」であるコネを活かして一緒に私立中学の見学を行ったりもした。
そのおかげか遊児はすっかり私に心を開いていた。「先生の為に私立に合格するよ!」と声高らかに宣言するぐらいである。私立組を冷やかす公立組の「からかい」から彼を守ることも忘れない。どうものんべんだらりと公立中学に進学する公立組の「ちょっとヤンチャな子」からすれば私立中学に進学する子は奇異の存在に見えるらしく、からかいたくなるらしい。何が面白いのかは理解に苦しむ。このからかいがイジメへと変わり受験に影響するようなこともある。これから守るのが教師である私の使命であり、大人としての義務である。
夏前に行われた三者面談でも、遊児の母の前で「大丈夫です! 息子さんは間違いなく合格しますよ!」と私は太鼓判を押した。
遊児の母は遊児と「やったね!」と言った感じでハイタッチを交わす。私はそれを含み笑顔で眺めているのであった。
さて、フェイズ1は終わった。ここからがフェイズ2に移行だ。
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