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数カ月後、卒業式が行われた。私は私立組に呼び出され卒業兼合格パーティーに参加することになった。皆、私に感謝し褒め称える。これが終わった後は塾に報告に行くらしい。
ただ、そのパーティーは参加者が一人足りなかった。遊児である。
まぁ、あいつは不合格だったんだ。参加するわけがない。子供達に遠慮して酒は飲んでいないが、葡萄ジュースも勝利の美酒の味がして美味く感じる。
一人の生徒がポツリと言い出した。
「あいつも馬鹿だよな。先生から貰った御守にカンペ仕込んで失格だもんな」
「俺らの中で一番頭良かったのに、不安だったのかね」
敗者に構っている暇はない、君たちが勝者だ。私は彼らの頭を優しく撫でた。
尚、遊児は「不正行為による不合格」が発覚して以降一度も学校には来ていない。私も形だけとは言え私立中学に抗議をしたのだが「不合格は決定、かつ、この先高校大学の受験すらも認めない」とのことだった。
ファイナルフェイズも完了していたことを確認し、私は正真正銘の笑顔を見せた。
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