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倫太郎が壱花を手で示して言う。
「こいつは、化け化け壱花だ」
「花花ですよーっ」
「風花では……?」
と冨樫は言ったが、もう最初に倫太郎が言った名前で登録されてしまったようだ。
「祈願どころか、ゲームも違う名前で始めるとは。
やっぱり、叶わないんじゃないか? 願い事」
と冨樫がちょっとだけ同情気味に言ってきた。
叶うか叶わないかはわからないが。
どのみち、クリアするまで京都から帰らせてもらえそうにない。
「やはり……、おそるべし京都ですね」
「おそるべし高尾だろ……」
と言う倫太郎たちも登録され、またあやかしいっぱいの裏京都に壱花たちは呑み込まれてくのだった――。
完
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