#01-02.納得……出来るわけがない

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 他のメンバーたちに挨拶をし、ロッカーに荷物を入れ、着替えてから、自席へと向かう。――わたしは、信用金庫に勤務している。後方事務業務を担当しているが、お客様の目に入ることもあるので、髪型は地味に――前髪は短めに、さっぱりとした印象を与えるようにしている。事務員は制服があるのでその反動でか、割とわたしのファッションはカジュアルだ。二十代みたいな服を着ている。  テラーから回ってくる伝票のオペレーションや渉外係が預かってくる伝票のオペレーション、各種届出の処理をしているうちに、瞬く間に定時を迎える。定時が17時半なのは助かる。17時50分には花見町に着けるから。花見町に到着後改札前のスーパーで急いで買い物を済ませる。  娘は学校での授業の後は学童保育に預けている。ありがたいことに、無料だ。何人もスタッフさんがいて、子どもたちの面倒を見てくれる。学校の敷地内にあるので、放課後は先生の引率で移動。勉強をやらせたり、校庭で遊ばせたりしてくれる。それでも円的には不満らしく、学童がいやだとかぶちぶち言っている。 「一年三組乙女(おとめ)円の母です。ありがとうございました」
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