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和尚さんが助けに来てくれるまで、俺たちはオリが沈まないように交替で脇の下に手を突っ込んで体を支えていた。
「おれ悪いことしてねえよな」
オリが泣き笑いで言った。
「してねえ」
「お母ちゃん、おれのせいじゃねえよな」
「ちがう」
「おれんち、呪われてねえよな」
「ない」
ふぅーっとオリの口から息がもれた。
「じゃ、おれがおっこちたのは」
とばしすぎんだよ、と言おうとしたとこへ和尚さんの怒鳴り声が飛んできた。
「怒られるぞ」
俺たちはあきらめて、笑った。
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