14人が本棚に入れています
本棚に追加
「ふう、ようやく終わった」
洗濯に掃除、そのあと買い出しを済ませたところで一息ついた。時計を見ると午前11時を過ぎており、太陽がてっぺんに到達しようとしている。
「いけない、早く支度しなきゃ」
11時30分には尊が迎えに来ることになっている。私は急いで服を着替えてささっとメイクを施した。
「よし、準備オッケー。ちょっと部屋が焦げ臭いけど今日は上がらないから大丈夫か」
準備を整えたその時、私のスマホが鳴った。画面には『尊』と表示されている。
「はーい」
「もしもし、未央奈? わりい、ちょっと準備に手間取っちまってさ……」
電話の先からは少し焦った感じの声が聞こえてきた。
私は気を付けて来てね、と伝えて電話を切った。
グ~
それと同時に、私のお腹が悲鳴を上げた。
「お腹すいた……」
朝のボヤ騒ぎで目玉焼きしか食べていないため、私の胃袋は空っぽになっていた。でも尊が遅れるなんて珍しいな……よほどの事情があるのだろう、ここは我慢しなければ。
最初のコメントを投稿しよう!