第一章 気付き

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 俺達は市内にある高級ホテルで遅めの昼食を取ることにした。結婚式場も併設しているホテルなので料理も美味い。  俺達のホームグラウンド茨城県水戸市(県庁所在地である)は色々な店があるが、ここは俺の一押しだった。   「うわ、すっごいね」  高級感溢れる店内を見まわし未央奈が素直な感想を述べた。  興奮気味の彼女を微笑ましく感じ、俺の顔に自然と笑みがこぼれていた。 「誕生日だからこれくらい贅沢してもバチは当たらないよ。それに最近忙しくてちゃんとしたデートしてなかったもんな」 「確かに、尊くん先月はマジで忙しそうだったもんね。毎日残業で体壊すんじゃないかって心配してたよ」  未央奈が本当に心配そうな顔で言った。お前は菩薩かと言いそうになったが我慢した。    
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