Reportage1

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 ここ数年、朝食の時はこうして女王と食事を摂る事になっている。  席に座り、テーブルに置いたひじの左手に顎を乗せ、ヴィオンは右手の人さし指をトントントンと軽く叩き始める。 「何で毎朝毎朝見たくもねぇアザミなんかの顔見なきゃいけねぇんだよ」  アザミとは、ヴィオンの父親。  ある者の話では病気により若い姿をしているとされている。  確かにアザミは若い。 「――父を敬い、母を敬い、生まれてきた事に感謝し、食事にありつける事に感謝するのだ」  女王カルダミネが言った。 「今さら何言ってんだか。半殺しにされかけたチチと、それをどうとも思わなかったハハをどう敬えっつーんだよ」  女王が少しうつむいた。  悪いと思ってるのか。今さら。 「それより女王は旦那に背を向けてメシ食って、それはいいのかよ?」 「その旦那に見守られながら食すのがよいのだ」  女王はパッと表情が変わり、頬に左手を添え、ポッと赤くなりながら答えた。
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