Reportage1

4/10
前へ
/52ページ
次へ
 しばらく待っていると、静かに扉が開く音がした。  その扉の向こうから、息を切らした少年が現れる。 「おせーぞヤク!」 「申し訳ございません! 兄上!」  少年はきびきびとした歩きで女王のもとまで向かう。  年齢ははっきり分からないが、12歳くらいに見える。 「母上、おはようございます」  女王の横で一礼し、女王の「うむ。おはよう」という挨拶で顔を上げ、ヴィオンのもとまで歩く。  同じように一礼し、同じように挨拶を繰り返した。 「へーへー。おはよーおはよー」  ヴィオンは軽く上げた右手を振り、雑な挨拶で返す。  そんなものだから女王はため息を吐く。 「ヴィオン。ヤクを見習うがよい」
/52ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加