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しばらく待っていると、静かに扉が開く音がした。
その扉の向こうから、息を切らした少年が現れる。
「おせーぞヤク!」
「申し訳ございません! 兄上!」
少年はきびきびとした歩きで女王のもとまで向かう。
年齢ははっきり分からないが、12歳くらいに見える。
「母上、おはようございます」
女王の横で一礼し、女王の「うむ。おはよう」という挨拶で顔を上げ、ヴィオンのもとまで歩く。
同じように一礼し、同じように挨拶を繰り返した。
「へーへー。おはよーおはよー」
ヴィオンは軽く上げた右手を振り、雑な挨拶で返す。
そんなものだから女王はため息を吐く。
「ヴィオン。ヤクを見習うがよい」
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