Reportage1

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 ヴィオンは一度女王に目をやり、へいへいと頷いた。  自分の所作の悪さは認めたものの、そんな口調のヴィオンにカルダミネは再びため息を吐く。  その様子を何とも思わないヴィオンはヤクに視線を向ける。  灰色の髪に幼い頃の面影を残す顔立ち――のようにヴィオンには見える。  ヴィオンと血は繋がっていないが、年の離れた紛れもない弟だ。 「おっ! ヤク、今日は髪型決まってんじゃん!」  ヤクが中央の席に着席したところで、ふと髪型に気づく。自分と似た髪型にヴィオンは好感を覚えた。  ヤクはパァと顔が明るくなり、嬉しそうに話す。 「今日は美容師様に整えてもらいました! 兄上みたいにかっこよくなりたくて!」 「おー! 持ち上げてくるなー、ヤク! 女王も見習いたまえ。そうだよなー、いっつもモヒカンみてぇな頭だもんな。今日はいいぞ!」  親指を立ててそう言ったほめ言葉にヤクは照れくさそうに顔を赤らめるも、やはり嬉しそうに笑う。 「何を見習えというのだ。――まあ、よい。食事にするぞ」  カルダミネの言葉を合図にカルダミネとヤクは目を閉じ、祈りを捧げるように手を組んだ。  カルダミネは感謝の言葉を口にする。同じようにヤクも声を重ねる。しかし、ヴィオンだけは頬杖をついて右手の人さし指でトントントンとテーブルを叩いていた。    
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