腕枕

4/6
前へ
/6ページ
次へ
 ジュンちゃんの話を聞きながら、俺は二学期の終わり頃、アライ先生が言ってたことを思い出した。 「そういうのをさ、謙虚のはじまりっていうんだって」 「謙虚のはじまり?」 「自分のいやなとことか悪いとこに気づいてて、直そう、改めようって、自分をいかしめ、いらしめ、あれ?」 「いましめ、でしょ」 「そうそう。気づいていて、自分をいましめ続けてれば、いつかかならず謙虚な人になれるんだって」 「へえ、いいこと言うじゃん、イサ」 「俺じゃなくて、先生」 「ふーん、なるほどねぇ」と言いながらジュンちゃんは何度も小さくうなずいた。「うん、ちょっとスッキリしたかも。ありがとね」
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加