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「ふうん」
と清香はうなずいた。
「それで、何を書こうか悩んでたってこと?」
「そういうこと」
「でも、まだ1日終わってないじゃん」
「長く続けるコツは、1日の終わりにこだわらないこと」
と環菜は言った。
「書けるタイミングがあれば、すぐに書く」
「タイミング来てないじゃん」
と璃子がツッコんだ。
「そう、来てないの……」
トホホ、と肩を落とす環菜であった。
「じゃあ、こう書けば」
と清香が言った。
「今日はあんぱんとクリームパンを食べた」
「いや、清香のこと書いても仕方ないでしょ。私のことを書くのよ」
「今日は何も思いつかなかった」
「それ書いたら負けじゃない?」
「トホホな1日だった」
「そんなことはなかったよ」
「今日は2回も転んだ」
「授業中に筆箱落として、中身を全部床にばらまいた」
「英Ⅱの教科書忘れた」
他人事だと思って、好き勝手に言う友人たちなのであった。
この日のヒトコト日記には、こう書かれている。
日記のことをみんなに話したら、めちゃくちゃいじられた。トホホ。
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