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あまりに神頼みに依存しすぎているように見えて、俺としては懸念しているところだ。
叶えてほしいことがあるから神頼みをするのではなく、神頼みをするために願い事を作っているのではないだろうかという疑いさえある。
そうでないと、そんなに日に日にお願いしたいことなんてわいて出てくると思えなかった。
「ほら、お賽銭入れたんだから、何かお願いしてよ」
「そうだな。神様に頼りすぎな梨花子にそろそろ痛い目を見させてやってください」
「何それ! ゆーちん酷い!」
酷いも何も、梨花子が何か願えと言ったからだろう。
そのうち神頼みし過ぎたバチでも当たるといい。
さすがに声に出すことはせず奥に見える本殿を一瞥して、うるさい梨花子の隣を歩いて帰宅した。
翌日、梨花子が事故に遭った。
その連絡を受けたのは、放課後家に帰ってからだった。
昨日のことで機嫌を損ねた梨花子は今日は一人で帰宅したのだが、そのときに横断歩道を渡っていたところで左折してきた小型のバイクと接触したらしい。
梨花子のお母さんから連絡を受けた俺の母親は、慌てたように家を出ていった。
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