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(昨日はすみませんでした。ええと、梨花子が事故に遭ってしまいました。確かに梨花子に痛い目を見させてやるように頼みましたし、バチが当たればいいと思ったのは俺です)
まさか昨日まで大して信じていなかった神様に真剣に頭を下げて手を合わせる日が来るとは思っていなかった。
あんなこと願うんじゃなかった。願って良いこと悪いことを考えて、もっと慎重にお願い事をするべきだったと思ったところで、全て後の祭りだ。
今こうしてお願いしたところで自己満足でしかないのだろう。けれど、何かにすがらないとやってられなかった。
梨花子も本気で神様に頼っていたわけではなく、何か心の安心をここに求めていたのかもしれない。
(どうか神様、お願いします。どうか梨花子が無事でありますように──)
そのあと梨花子が運ばれたという病院に到着した俺は、唖然とした。
「ゆーちん、どうしたの?」
そこには、梨花子のお母さんと俺の母親の間に何でもない風に歩く梨花子の姿があったからだ。
どうしたも何も、事故に遭ったんじゃなかったのかよ。
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