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「ねぇ、どうしてこの仕事をしているの?」 俺は人通りの少ない路地裏に座り込んで、キラリと光る鋭い剣をせっせと磨いていた。隣でそれを興味深そうに見ていたマセナが、目を輝かせて身を乗り出してくる。 「唐突だな? いきなりなんだよ」 「お兄さんは剣士だけど、ほかの職業だって存在するでしょ? 魔法使いとかさ」 「そうだな?」 ピカピカになった剣に満足して、それを丁寧に鞘に納める。 俺の足の上に頭を乗せたマセナは、上目遣いで質問を続けた。 「なんで剣士?」 「それはな……」 俺は重々しくためてみた。 俺はここの人たちからすれば異世界人だ。ハッキリ言って、こいつに俺が異世界人で~、何て言っても通じないだろう。 マセナと出会ったのは、盗人に襲われていたマセナを偶然通りかかった俺が助けたときだった。その時、自己紹介ついでに俺が異世界から来たことを話してみたが、「頭、大丈夫?」 と本気で心配された。 それ以降は一度も異世界から来たことは言わなくなった。だってかなり傷ついたもの……。俺のメンタルは柔いんだよ!
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