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「何回チャンスを与えても、彼女がそれに気づかないし直そうとしないから、神様ももうダメだって判断したんだ。神様にお願いしてばかりでも、自分で行動しなきゃ何も変わらないじゃないかって、神様も困ってた。」
「そうだったんですね。そういう意図があったとは知りませんでした。
やっぱり、願いが叶うという認識が、私達と人間ではちょっと違うんでしょうね。最後の仕上げは人間本人じゃないといけないんですけどね…。」
オシの言葉の後、上司は再び言った。
「結構な数の人間の願いを、そうやって叶えやすいように神様と調整しているんだけどな。でも、願いの全部を神様が叶えるって思われてたら、それはそれで誤解だもんな…。どうしても人間には難しいのかな。」
少し考えて、私は言った。
「やっぱり、お願いだけして叶ったつもりになったり、叶わなかったら神様のせいにしたりすることもあるし、こっちももどかしいですよね。」
「そうだな。でも昔からずっと、こんな風だっただろう?」
「はい。」
思わず、私たちは苦笑いをしてしまった。
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